-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー
皆さんこんにちは!
アンバーマリブ株式会社の更新担当中西です。
さて今回は
~“ミリ単位”の精度~
建築の骨格をつくる「鉄骨工事」。
地上何十メートルという高所でも、鉄骨はわずか1mm単位の誤差も許されません。
ビル、倉庫、商業施設、学校、病院──どんな建物でも、構造の強さを決めるのは見えない精度です。
今回は、鉄骨工事の基本と、精度を守るための技術・チームワークについて掘り下げます🔍。
鉄骨工事とは、建物の骨組み(柱・梁・ブレースなど)を組み立てる作業。
設計図をもとに鉄骨を製作し、現場で「建方(たてかた)」と呼ばれる組立作業を行います。
建物が完成すれば、鉄骨は壁や天井に隠れて見えなくなります。
しかし、見えない部分こそが建物の安全性・耐久性を左右する要なのです。
鉄骨工事の3つの柱👇
1️⃣ 製作精度(工場段階)
2️⃣ 組立精度(現場建方)
3️⃣ 品質保証(検査・記録)
この3つのどれが欠けても、建物全体の信頼性は保てません。
鉄骨工事では、許容誤差±3mm~5mmが一般的。
例えば、10mの柱で3mmズレても、上階にいくほど誤差が積み上がります。
そのため、製作段階から“先読みの補正”を行い、溶接・熱変形・運搬中の歪みまで考慮します。
溶接で加熱された鉄は膨張し、冷えると収縮します。
職人は、その「戻り」を見越して溶接角度を微調整。
この感覚は図面では表せない、まさに“人間の技”です。
現場での建方は、重機・クレーン・溶接・ボルト締め・測量のチームプレイ。
一人が遅れれば全体の工程が止まるため、「声かけ」と「確認」が命。
・「吊り荷入ります!」
・「ピンセットOK!」
・「本締め確認!」
この短い掛け声が、事故を防ぎ、作業効率を高める現場のリズムを生み出します。
無線だけでなく、目線の合図や手信号も重要。
鉄骨工事の品質は、工場と現場の連携で決まります。
現場では「寸法が合わない」「柱脚が入らない」などの課題が出ることがあります。
しかし、その多くは事前の製作段階での情報共有不足が原因です。
鉄骨製作図(ファブ図)を共有し、
・搬入経路
・ボルト種別
・仮ボルトの本数
・組立順序
を事前確認することが、ミスの削減につながります。
鉄骨工事は、構造の“背骨”をつくる仕事。
図面・計算・技術・経験──すべてが融合して初めて、安全な建物が立ち上がります。
見えない場所にこそ、職人の技が宿る。
それが、鉄骨工事の魅力であり、誇りです。